現代のビジネスにおいて、コーポレートサイトは企業の「顔」であり、重要な資産です。どのツールでサイトを制作するかは、デザインの自由度や運用コストにとどまらず、将来的なビジネス展開にも大きな影響を与える、戦略的な判断になります。
この記事では、世界中で使われている「Wix」と、日本製の「STUDIO」という2つのノーコードツールを比較します。さらに、より本格的なウェブサイト運営を視野に入れた選択肢として「Webflow」についてもご紹介します。自社にとって最適なプラットフォーム選びの参考になれば幸いです。
WIXとSTUDIOの比較
まずは、それぞれのツールの基本的な特徴を見ていきましょう。
Wixとは
Wixは、専門的な技術知識がない人でも、直感的なドラッグ&ドロップ操作でウェブサイトを構築できるノーコードウェブ制作ツールです。全世界で1億6,000万人以上のユーザーを抱え、900種類以上の豊富なデザインテンプレートが用意されています。ホスティングから基本的なSEOツール、多機能なアプリマーケットまでをワンストップで提供するし、特にウェブサイト制作の初心者や、限られた予算と時間で素早くウェブサイトを作成したい小規模事業者から人気があります。
STUDIOとは
STUDIOは、日本で生まれたノーコードウェブサイト制作ツールで、最大の特徴は「デザインの自由度の高さ」です。その操作感はデザイナーが使うFigmaやAdobe XDといったツールと似ています。これにより、他社と差別化された、完全にオリジナルのブランドをウェブサイト上で実現可能です。日本企業が開発しているため、日本語フォントの扱いや日本語サポートが充実している点も大きな魅力です。
料金の比較
Wixの料金
wixは無料プランと、個人・法人向けの有料プランを提供しています。

STUDIOの料金
STUDIOは無料プランと、個人・法人向けの有料プランを提供しています。

ビジネスプランに含まれる提供機能の比較

両者のツールでは提供される機能に違いがあります。企業に使用されるビジネスプランで比較をします。
独自ドメイン・ドメイン特典
- Wix
- 初年度「独自ドメイン」無料取得特典あり(2年目以降は有料)
- ドメイン接続・SSL対応
- STUDIO
- 独自ドメイン接続可(自己取得・無料特典なし)
- SSL対応
広告表示・ブランド表示
- Wix
- Wixロゴの非表示設定
- STUDIO
- Studioロゴの非表示設定
共同管理者・チーム対応
- Wix
- 10人までの共同管理者・エディターを設定可能。ユーザー席の追加コストはなし
- STUDIO
- 共同管理者・エディターを設定可能。人数制限はなし。50名を超えると動作が不安定になる可能性あり
ページ数・容量
- Wix
- ページ上限:静的ページ100枚。CMSアイテム20,000件
- データ容量:100GB
- 最大10時間の動画アップロード可能。
- STUDIO
- ページ上限:300ページ
- CMS(動的ページ生成)のモデル数:10まで、アイテム数:5,000まで。
- ストレージ容量は明示なし(画像・データ上限は公式案内の範囲で十分)
CMS・動的コンテンツ
- Wix
- 標準CMS機能・ブログ・ニュース投稿など対応。
- 会員制サイトや限定コンテンツも可能。
- STUDIO
- 高度なCMS機能。10モデルまで、動的なコンテンツ生成や作品集・記事一覧等が管理可能4。
EC機能(ネットショップ運用)
- Wix
- オンラインストア運営・決済対応・POS(販売時点管理)対応
- 顧客アカウント・クーポン・定期販売・消費税自動計算など標準搭載。
- STUDIO
- 標準ではネットショップ・EC機能は非対応
サポート・アクセス解析
- Wix
- 24時間カスタマーサポート。メール・チャットで、電話サポートあり
- サイトアクセス解析ツール標準搭載
- STUDIO
- メール・チャットでのサポートあり。電話サポートなし
- アクセス解析・Google Analytics連携可
月額料金(ビジネスプラン年払い時)
- Wix
- およそ2,700円〜2,900円程度/月(実際の為替やキャンペーンにより変動あり)
- STUDIO
- 3,980円/月(年払いの場合)
コーポレートサイト運用にはどちらが適している?
料金だけでなく、実際の業務での機能性や将来性を見極めることが、プラットフォーム選びの鍵を握ります。
機能性
- Wix: 最大の特徴は、豊富な「App Market」にあります。予約管理やEC機能など、あらゆる機能をアプリを通じて柔軟に追加できます。ただし、各アプリは独立した開発元によって提供されているため、セキュリティや互換性の課題、サポート体制の分散といったリスクも伴います。
- STUDIO: WIXのような機能を追加するアプリはありません。STUDIOはデザイン性に特化しており、各機能が統合された形でシームレスに連携します。すべてが一つのプラットフォームで開発・管理されているため、安定性やセキュリティに優れており、リスクが少ない選択肢です。
チーム管理と共同作業
コーポレートサイトの運営には、デザイナー、マーケター、コンテンツ編集者など、複数のメンバーが関わります。そのため、チームでの共同作業のしやすさは重要な選定基準です。
- Wix (Wix Studio): プロフェッショナル向けに強化された「Wix Studio」では、高度なチーム管理機能が提供されています。複数のユーザーが同時に同じページをリアルタイムで編集できる機能です。これにより、大規模なチームが並行して作業を進める際の効率が向上します。また、役割ごとに細かい権限(サイト所有者、管理者、デザイナーなど)を設定することも可能です。
- STUDIO: STUDIOもメンバーを招待し、プロジェクトの管理、支払い、ユーザー権限(オーナー、編集者、ゲストなど)を一括で管理できます。複数の編集者が同じプロジェクトで作業を進めることが可能です。
他のウェブサイトビルダーへの移行
- Wix: サイトにアップロードした画像や動画、CMSのコンテンツ(CSV形式)など、一部のデータはエクスポートが可能です。ウェブサイトのデザインやレイアウトといったサイトの構造そのものをコードとして書き出すことはできません。
- STUDIO: CMS、ウェブサイトをコードエクスポートする機能は提供されていません。
この「コードやデータを自由に持ち出せない」という事実は、オールインワン型プラットフォームを利用する上で一番のリスクです。もしプラットフォーム提供企業が大幅な価格改定を行ったり、事業を停止したりした場合、利用者は逃げ場を失い、ゼロからサイトを構築し直す必要に迫られます。
テスト環境、本番環境
- Wix: 本番環境に影響を与えることなく変更をテストできる「テストサイト」を作成する機能があります。これにより、新しい機能やデザインを安全に試すことができ、ステージング環境として利用できます。(参考:Wix ヘルプセンター:テストサイトを作成する)
- STUDIO: テスト環境(ステージング環境)」が提供されています。これにより、デザインの変更やCMSの更新などを、公開前に安全な環境で確認できます。テスト環境で問題がないことを確認してから本番環境に反映できるため、安心して運用できます。
ブランチ、マージなどの機能があるか
- Wix & STUDIO: 残念ながら、ソフトウェア開発で用いられるGitのような、複数の変更を並行して進める「ブランチ」や、統合する「マージ」といった高度なバージョン管理機能は提供されていません。
日本語サポートは?
問題が発生した際のサポート体制は重要です。
- Wix: 日本法人を設立し、日本語でのサポート体制を強化しています。サポートは網羅的な記事が揃ったヘルプセンターと、電話での問い合わせに対応する「コールバックシステム」が中心です。緊急時に即座に担当者と話したい場合、もどかしさを感じる可能性があります。
- Wix ヘルプセンター: https://support.wix.com/ja
- STUDIO: 日本企業が開発・運営しているため、日本語サポートがネイティブであることが最大の強みです。サポートは主に、迅速な返信に定評のあるプラットフォーム内のチャットシステムを通じて行われます。時差や言語の壁がない、日本の企業にとって大きな安心材料です。
- STUDIO 公式ガイド: https://help.studio.design/ja/
本格的なウェブサイトを運営したい時、wixやstudioはおすすめ?
WixやSTUDIOは優れたツールですが、より高度な機能、拡張性、そしてプラットフォームからの独立性を求めるならWebflowがおすすめです。
Webflowはノーコードでプロがコーディングするのと同等かそれ以上にクリーンなコードを両立させたツールです。
なぜWebflowが優れているのか?
- プラグイン依存からの脱却: 主要機能がネイティブで組み込まれており、WordPressのようなプラグインの互換性問題やセキュリティリスクを最小限に抑えられます。
- 管理不要のホスティングとセキュリティ: 高性能で安全なホスティング環境が標準提供され、サーバー管理の負担から解放されます。
- 将来性(コードエクスポート): 構築したサイトのコードをエクスポート(書き出し)できることです。これにより、サービス依存のリスクから解放され、自社の資産を永続的に所有できます。
変化の速いシリコンバレーのスタートアップや大手テック企業がWebflowを積極的に採用する理由は、エンジニアの手を借りずにマーケティングチームが迅速に高品質なサイトを構築・更新でき、市場投入までの時間を劇的に短縮できるからです。事業の成長に合わせてシームレスに拡張でき、将来的にプラットフォームを乗り換える必要もありません。
あなたに最適なツールはどれ?

Wix
ウェブ知識が無い初心者におすすめです。直感的にウェブサイトを作成可能で、豊富なテンプレートとドラッグ&ドロップ操作で手早くデザインでき、ECや予約機能も充実。AIツールや無料プランもあり、ビジネス・個人問わず幅広い層に人気です。
STUDIO
最大の特徴は日本語で情報を取得、サポートを受けられることです。初心者でもテンプレートからサイトを作成できるほか、オリジナル性のあるデザインを簡単に制作できます。
Webflow
使いこなすまで難易度は高めですが、細部まで自在にデザインできるプロ向けノーコードツールです。豊富なアニメーションやインタラクション、強力なCMS機能を備え、無限の拡張性があります。
どのツールで作成するべきかの悩みを、お聞かせください
ウェブサイト、コーポレートサイトは一度作成すると、長く付き合っていくことになります。最初の選択を誤ると、将来の事業展開の足かせとなり、時間とお金を無駄にする可能性もあります。
「絶対の正解」はありません。Wixの迅速さ、STUDIOのデザイン性と国内サポート、Webflowの戦略的な優位性。貴社の事業フェーズ、チームのスキル、将来のビジョンによって「最適なツール」は異なります。
私たちスーパーサイトは、単なるウェブサイト制作会社ではありません。貴社のビジネスゴールを深く理解し、最適なデジタル基盤を設計する戦略的パートナーです。5年間の豊富な制作実績と、専門知識を持つ国際的なチームが、ツール選定という重要な意思決定から、実際のサイト構築、そして未来の成長を見据えた運用まで、一貫してサポートいたします。
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